オーストラリア駆け足横断

南半球オーストラリアは日本の約29倍の広大な国土面積を持ち、それゆえに変化に富んだ自然風景に恵まれている。この大陸の代表的な自然風景といえば、まずは中心に位置する赤い巨大な岩ウルル。そして、北東部にある世界最大の珊瑚礁グレートバリアリーフ。加えて、南西部の美しい街パースとワイルドフラワーの群生。今回は、西オーストラリア地域にワイルドフラワーが咲く季節に、大陸を東から西へ横断、オーストラリアの大自然を体感することが出来た。

      
約2,900の珊瑚群と島からなるグレートバリアリーフ。長さ2000キロ、幅24〜145キロにも及ぶそのスケールは日本列島に匹敵する。1981年に世界遺産に登録された。明るい海の碧と空の青が目に眩しい。

      
ウルル(エアーズ・ロック)。周囲9.4キロ、高さ340mという巨大な一枚岩でその迫力に圧倒される。地上に出ている姿はわずか全体の10分の1程度だといわれている。6億年以上前に海底に堆積した花崗岩質が隆起して長い歳月の間に浸食と風化によって固い部分だけが残った。「ウルル」は先住民アポリジニの呼称で聖地となっている。

      
夕焼け雲に浮かぶウルル。

      
ウルルの洞窟の中、大きな浸食の形跡がうかがえる。

      
洞窟の外観。ウルルの周りには幾つもの洞窟があるらしい。

      
ウルルから40キロほど離れたところにあるカタ・ジュタ。大小36個の巨大岩からなる奇岩群で平均約460mの高さがある。「カタ・ジュタ」は先住民アポリジニの言葉で「多くの頭」を意味するそうだ。赤い岩と青い空とのコントラストが綺麗だ。

      
ウルル近郊の丘の天上、夕日に映え長く連なる雲の造形がなんとも美しい。180度空一面にかかっていた。大陸でしか見られない大自然の風景だ。

      
キングスパークの高台から一望した西オーストラリアの首都パースの街並み。スワン川がインド洋に続いている。パースは166万人の都市で近代的なビルがそびえ建つ。かつて、世界中を旅しレポートしたジヤーナリストの兼高かおるが「世界で一番美しく住みたい国」と評した。

      
パースから3時間ほど北上したナンバン国立公園内にある奇石群ピナクルズ。砂漠地帯にいろいろな大きさの尖塔のような岩が建ち並ぶ。もともとはユーカリの木で覆われていた場所だが、木がなくなって、周囲は次第に浸食され根を張った土の部分が堅い岩となって残った。不思議な光景だ。

      
      
西オーストラリアには1万2000種ものワイルドフラワー(野生の花)が生息している。道路脇に群生していて延々とその風景が続く。

      
ラン科のクレオパトラズニードル。俗名シバの女王。10年に一度程度しか観られないとか。

      
リースフラワー。赤土上にクリスマスリースのように放射状に茎が伸びて円形状に咲いている。まるで花の冠のよう。一つ一つの花はキンギョ草に似ていた。