でんまが(札幌電子マガジン)
政経コンフィデンス


■社会福祉法人札幌恵友会、近く道が行政処分の動き (14-01-04)
 木本由孝前理事長退任、残る木本派理事らの責任追及か

 不明朗な業務委託、介護報酬の不正受給、さらには法人売却の動きまで出た社会福祉法人・札幌慈恵会。2013年8月に木本由孝理事長が辞任、これで法人運営が正常化すると見られたわけではない。北海道は監査を継続、法人に対し問題を指摘、弁明を求めていた模様。12月中に関係者の間に「道が改善命令を出した」と伝わったが、実際にはまだ行政処分には至っていない。しかし、道保健福祉部は「近く行政処分する可能性が高い」ことを認めた。
 「でんまが」に情報が入ったのは12月下旬。「12月16日に道が札幌恵友会に改善命令を出したようだ。タクシーチケットの個人的な不正使用、空出張などをめぐる問題などを指摘して、法人が明らかにして返済させよ、といったものだ。24日までに法人側に弁明の機会を与える、ということで24日に法人が弁明書を提出した模様だ。と言っても、それはセレモニーのようなもので、道が指摘した問題には反論の余地がない」というもの。
 「あとは道が法人を処分することになる。不正を放置した理事、理事を選んだ評議員全体が責任を問われる」と、情報提供者側の希望的観測も込められたものではある。
 札幌恵友会では13年8月下旬に木本由孝前理事長が突然辞任した。同氏は法人を売却して裏金を得る動きをし、理事の間からも糾弾する声が上がった。それに対し本人は「天地神明にかけて」と否定したものの、理事有志らの調査で事実が明らかにされた。それに対し、木本氏は事実を認めた上で「禊ぎが済んだ」と理事長に居座り、問題を追及した理事や評議員を入れ替えてしまった。
 しかし、道が厳しい監査を継続、木本氏、長沼薫常務理事を呼びつけ、強い圧力をかけた模様。監査の途中で木本氏が理事長を辞任する事態となった。といっても、法人は木本氏の意を受けた理事、評議員で固められており、新たに理事に入り理事長になった小島和彦アーバンヤマイチ社長も木本人脈と言われる。退任して報酬がなくなったはずの木本氏は北区内に個人事務所を構えたというから不思議だ。
 関係者によれば、札幌恵友会を実際に取り仕切っているのは介護老人保健施設「神恵内ハイツ998」の施設長をしている藤井伸一医師だという。小島理事長も藤井医師の意向で就任したと言われる。藤井医師は「光ハイツ・ヴェラス」の実質オーナー。なぜか別会社から木本氏に月額100万円の顧問料を支払っていた。その別会社を含め、関係する介護施設や診療所で不正受給があり、保険医を取り消されている。本来は介護老人保健施設の施設長を継続できる立場ではない。
 情報通は「藤井医師が札幌恵友会で重要な立場にあることは道も把握している。木本氏の退任後は、道のターゲットは藤井医師だ。行政処分となれば、藤井医師一派も一掃され、神恵内ハイツも立ち去ることになるのだろう」としている。
 12月末時点では、道保健福祉部では「札幌恵友会を行政処分したという事実はない」と回答した。しかし「現時点では行政処分はしていないが、近くその可能性が高い、と理解していいのか」と確認すると、「そういうことです」と意外なほどあっさりと認めた。どのような処分内容になるのか、注目される。 ♯♯

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