さっぽろの市電延伸を考えるキャンペーン |
■札幌駅前通中心部、自転車走行は事実上不可能に (15.09) ■自転車愛する市民団体、市長選は残念な結果? (15.04) ■市電ループ化、市民団体らが「自転車の安全」陳情 (14.12) ■札幌市電のループ化延伸、年度内に発注完了へ (14.11) ■札幌市電ループ化延伸に強まる「見直し論」 (14.09) ■市電流ループ化、軌道敷設に「随意契約も検討」の怪しさ (14.07) <続報> 札幌市は7月25日、市電のループ化部分の開通が2015年10〜12月にずれ込むと発表した。年内に路盤土木工事が終了、軌道敷設は雪解けを待って来春着工する。異なる業者が同時並行で工事を進めれば、事故などが発生した場合、安全管理上の責任所在があいまいになる、との理由。総事業費は現在の24億8000万円より膨らむ可能性がある、としている。 ■すんなりいくのか、札幌市電の軌道工事 (14.06) ■上田市長公約案件の市電ループ化工事、再入札も不調 (14.03) ■市電延伸・ループ化工事、入札不調で完成の遅れもノ (14.03) ■市電ループ化前提に、タクシー乗降、荷捌き実験 (13.11)
■駅前通りで「自転車押し歩き」社会実験 (13.07) ■札幌市が広報誌で「路面電車とこれからの札幌」をPR (12.06)
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■南1条通りの市電延伸に関心薄い市民の反応 (12.01) 北海学園大学の調査、西3−1丁目延伸構想に 札幌都心の南1条通再開発構想について北海学園大学が市民意識を調査した。市電については、地下歩行空間が設けられる場合は「市電を通す」は12%に止まり、地下道がない場合でも「市電敷設」は17%に過ぎなかった。この再開発構想には上田文雄市長も乗り気。構想にある市電の西3丁目−1丁目の延伸は限定的で中途半端な区間であることは否めないが、市民から市電延伸の要望が少ないことを示唆しているのではないか。 南1条通再開発は地元商店街有志が長年かけて構想を詰めてきたもの。これを受け、上田市長は昨年の選挙で3選を果たした後、今任期中に着手する方針を明らかにした。構想は南1条通りの西3ー西1丁目までに新たに地下歩行空間を設置、地上は車の乗り入れを禁止、路面電車を通す、などを骨子としている。 北海学園の鈴木聡士准教授らがこの構想の交通環境について市民意見を調査したところ、市電については先のような結果となった次第だ。 札幌市の市電に関する考え方は、まず南1条と南4条の西4丁目で途切れている区間を、4丁目通り上で南北に結びループ化する。これには多くの市民が賛同できる。延伸については「都心地域」「創成川以東地域」「桑園地域」について検討。そのうち「桑園」、「都心」については単独では収支の黒字が見込めない、「桑園+都心」「創成川以東+都心」についても、将来的な黒字が見込めない、とされる。つまり延伸は「創成川以東」が現実的という方向性だ。 とは言え、サッポロファクトリー、苗穂方向への「創成川以東」の延伸について、市民の要望がどのくらいあるのか、もっと客観的な調査が必要なはず。札幌市が調査をやれば「延伸ありき」と言わなくても、市民側から心理的に市の意向を忖度した回答が出る危惧がある。大学の研究者らが客観的な立場から調査する方が、より冷静に市民意識を把握できるのではないか。 少なくとも南1条の3ブロックの延伸に関しては、市民の要望は10数パーセント止まりだと判明した。残り80数パーセントの市民のうち「反対」「どちらかといえば反対」「どちらとも言えない」はどんな数字なのかが興味深い。さらに「創成川以東」について具体的区間、ルートを設定して市民意識を把握するべき。手法としてこれまで市がやってきた会議、委員会、懇談会などでは主催者側の誘導が成り立つので、客観性に疑問が出る。誤魔化しはなし、を願いたい。 |
■市電のデザイン化、延伸はお年寄りや障がい者に本当に必要?? (11.07) 投資を最低限に止め、大切な財源を次世代へ贈るべき 札幌市は9月に市電のデザインを考える検討会議を設置する。市のまちづくり方針の中に、「総合的な交通計画を策定し、公共交通機関を軸とした交通体系の確立を図るとともに、路面電車の延伸…云々」とあり、市電のループ化、延伸が上田札幌市政の方針。市電の活用に向けた具体的検討を進め、今年度から高齢者や障がい者にも利用しやすい新型の低床車両導入に向けた検討を実施する。 上田文雄市長は7月25日の記者会見で「路面電車は、都心の回遊性を高めまちの活性化を促すほか、デザイン性の優れた車両、あるいは電車停留場などが通りの個性を演出するなど、魅力のあるまちづくりにも大きく貢献するもの」と発言。車両や電停のみならず、案内サイン、路面電車の活用策、利用促進に向けたPR方法など、ソフト面も含めたトータルデザインとして検討を進めていく、という。 デザイン性に優れた低床車両は、確かに格好いい。札幌は折角路面電車が走るまちなのだから、そういうものがあれば、まち並みが映えるかもしれない。しかし、どうしてもなければならない,というものではない。基本的に必要なのは人を運ぶ公共交通の機能だ。「プラスアルファ」の部分はなくても我慢できる。 お年寄りや障がい者にやさしい「低床車両」も、聞こえはいいが、それが本当に高齢者や障がい者の生活に潤いを与えるのだろうか。低床車両が乗り降りに楽だと思う人たちは、自宅や訪問先から公共交通機関までの歩行にも難儀するはずだ。路面電車がいくら乗り降りが楽になっても、そこまで行き来するのが辛い弱者にはあまり意味がない。公共交通から弱者を締め出せと言うのではないが、そういう人たちにはもっと必要な別なサービスを提供すればいい。現実に公共交通機関を利用するのは元気な人たちだ。もちろん元気な人たちをマイカーから公共交通機関や自転車に誘導することには異存はない。 上田市長がいう「誰もが利用しやすく、市民に愛される、札幌にふさわしい魅力的な路面電車の誕生」ー言葉は美しい。しかし、「誰もが」といっても、利用するのは札幌市の一部に過ぎない沿線区域に生活する一部の元気な市民に過ぎないのだ。「魅力的」にもいろいろな感じ方がある。人口減、高齢化のなか、札幌の街並みはこの先そんなに大きく変わるのだろうか。古色ある街並みにレトロな市電が走る姿だって魅力的だ。 現在ある路線は活用すべきだ。ループ化は利便性を大きく向上させる。しかし、路線延長は大いに疑問。札幌駅などへの延伸は、市電を利用する圧倒的多数の「元気な市民」なら他の交通機関を使うとか、地下通路を歩けばいい。延伸は「絶対必要」なものではない。現状でも札幌市民は市電に関してそんなに不幸だと感じてはいない。 なくても我慢できるものなら、最低限に止めるべきだ。そのための費用を大切にとっておいて次世代に贈ることは、絶対に無駄にならない。 |
「でんまが」の「政経コンフィデンス」欄より記事を転載します。 ■市電延長、札幌市は西2丁目ルートに傾斜 (11.02) |
■少数シロウト意見を「延伸ありき」に誘導するまやかし作戦 (10.12) ■サピカが13年から市電、バス3社と供用化。一段と便利に!!! (10.11) ■少数市民を集めて「市民会議」と誤魔化し・まやかし作戦 (10.10) ■上田文雄札幌市長は2010年9月1日付で「真夏の夜の夢 札幌2030年」のエッセーを発表、市電の路線延伸を含む将来像を語っています。上田市長の夢は、あくまで夢であればどのようなものであろうと個人の自由ですが、それを札幌市政の方針とするのなら、いろいろと疑問があります。 エッセーの全文を紹介しながら、「でんまが」は延長に疑問を呈す立場から、注釈(赤字部分)を加えてみました。あなたは、どう思いますか。「でんまが」へのEメールまたは「でんまが掲示板」でご意見を募集致します。 ▼Eメール=denmaga-desk@sdcom.jp 「真夏の夜の夢 札幌2030年」 平成22年9 月1日 今年はお盆が過ぎても暑い夏が続きます。真夏の夜の夢、札幌の20年後の2030年に想いを巡らせてみました。 2030(平成42)年、みんな20歳、年を取っている。私も82歳。市長はとうの昔に辞め、老害と時たま陰口を言われながらも、弁護士としての役割を何とか果たしている(希望です・・・夢なのです)。 札幌市の人口は、いまからは、たいして増えない、いやむしろ減少傾向に向かうというのが一般的な予想ですが、日本全国これだけ暑くなると、涼しい(といっても昔の東京並みの暑さになるかもしれませんが、それでも熱帯のような本州に比較すれば数段涼しい)札幌には多くの人が移住してきていることでしょう。
でも、まちがいなく超高齢社会は到来しています。3人に1人は高齢者。介護・医療制度の充実はもちろんですが、高齢者が外出しやすいまち、車に頼らなくてもよい交通インフラが充実。
私は、市電に乗って、裁判所に行き、また、キタラに通う。 市電は、もちろん低床車両、サイドリザベーション(歩道から直接電車に乗り込むことができる)で乗り降りはとっても楽。まちを移動するための「横のエレベーター」といった感覚で、札幌の景観にマッチした車両が美しい。 市電の沿線は、今よりはるかに土地の高度利用がなされ、(そうは言っても、そのための市電路線周辺の建ぺい率・容積比見直し、高層化に伴う安全・安心インフラ整備など土地高度利用の施策が考えられていないのではないですか。そちらの方が先決問題だと思います。それでも、市電沿線に高層市営住宅を建てれば、随分家賃が高くなるでしょうね。) 高齢者が暮らしやすいバリアフリー型のマンション等が立ち並んでいる。主たる住人である高齢者は長年の雪かきからも解放され、市電に沿って高齢者にやさしいまちが出来上がっています。 高齢者にやさしいということは、障がい者はもとより、若者や健常者には超やさしいまちということを意味します。 札幌の市電は、およそ100年前の1909(明治42)年に運行を開始した馬車鉄道に始まります。1964(昭和39)年には路線延長25キロ、札幌の交通インフラの根幹を担う市電の最盛期でした。しかしその後、札幌オリンピック(1972(昭和47)年)開催を機に、地下鉄が掘られ、バスと連携した交通インフラを基本として、札幌のまちは大きく広がります。市電は地下鉄と競合する区間が順次廃止され、1974(昭和49)年に現在の路線延長8.5キロとなりました。 そして、この秋、札幌の10年後、20年後を見据えた交通体系、まちづくりと市電のあり方について議論が始まります。ループ化と札幌駅との接続については、既に市民の皆さんからご提言いただいており、私も必要不可欠であると思いますが、具体的路線の場所や延伸の要否については、これから市民議論を重ねて決めなければなりません。建設費は、経営はどうしたらいいのか、様々な論点があります。できるだけ分かりやすい情報をお届けしながら、しっかり議論をしなければなりません。 その際には10年後、20年後の札幌は、超高齢社会になっていることも考慮の対象としなければなりません。 議論の過程は、ホームページ、広報さっぽろや新聞テレビ等の報道で市民の皆さんにお伝えしていきます。市民の皆さんにはどうか積極的に議論に加わっていただけますように。札幌市の財政はますます厳しくなりますが、工夫はあるはずです。 20年後の札幌を議論しましょう。(もちろん議論することは良いことです。ただし“結論ありき”はダメですよ。) 8月29日から9月4日まで、中国・瀋陽市と上海市に出張します。瀋陽市では友好都市提携30周年記念行事等に、また、上海市では上海万博での「北海道の日」イベントに参加するためです。熱き中国を体感し、札幌の元気のもとにできればと思います。 札幌市長 上田 文雄
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「でんまが」の「政経コンフィデンス」欄より記事を転載します。 ■札幌市の市電延伸に札幌商工会議所が意見書 (10.09) |
「でんまが」の「政経コンフィデンス」欄より記事を転載します ■路面電車延伸に向け札幌市が世論誘導作戦 (10-06-08) |