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■公契約条例不発、に「上田がやるから反対された」 (15.05)
上田文雄前札幌市長、味わい深い発言??
5月1日、上田文雄前市長が退任。5月2日付けで秋元克広札幌市長が就任した。上田氏にとって、やり残した思いが最も強いのは公契約条例の制定だったようだがー。
上田市政1期目のスタートが市長選のもつれで再選挙となったため、就任が通常よりずれ込む事態となった。ずれた任期を元に戻すため、本来の任期終了より先に辞任する、という選択を見せた。もう少し市長の椅子に粘り続けることが可能だったのを打ち切った決断を賞賛したい。
上田前市長は折に触れ、マニフェストに掲げた市民への約束の達成度を口にした。そのなかで、公契約条例制定が不発に終わったことが、当人にとって最大の心残りのようだ。札幌市から仕事を請け負う業者に一定基準以上の労働賃金支払いを義務づけ、官製ワーキングプアーを防止したい、との人道的理念に基づくものだった。しかし、最終的に2013年の市議会で1票差で否決された。
経済界は理念は分かるが現実的に難しい、と自民党市議らに働きかけた。同じ企業内で、市から請け負った仕事をする部門だけ給料を高くするのは難しい、全部門で底上げするのはもっと難しい、などの事情がある。上田前市長は市議会各派に粘り強い根回しを続け、条例成立寸前までいったものの、最後の詰めが誤算となった。
これについて上田前市長は「条例の内容よりも、上田がやるから反対、と言うような政治的なレッテルを貼られてしまった」と、味わい深い表現で、ほぞを噛んだ。
しかし、条例否決は個々の議員が是非を真摯に考えた結果だと信じたい。それを「上田氏がやるから反対」したのだと考えているのなら、議員の判断を闇雲で深みのない流れの中で動いたものに過ぎない、と冒涜しているようなものだ。任期中最後まで引きずった事項について、もっと気の利いたコメントが欲しかった。ともかくも、3期12年間、ご苦労様でした。
■地下歩行空間に排煙装置、スプリンクラー必要なし! (15.03)
上田札幌市長、「燃えるようなものはない」と
2月10日、札幌中心部のビルで火災が発生、地下歩行空間にも煙が充満する事故。これについて、上田文雄札幌市長は新たな排煙装置やスプリンクラーの設置は必要ない、とする見解だがーー。
同日正午過ぎ、中央区北1西4の「札幌ノースプラザ」地下1階の飲食店から出火、壁や天井の一部を焼いた。従業員女性2人が煙を吸って病院に搬送されたが、けがはなかった。ビルと直結する札幌駅前通地下歩行空間に煙が流れ込み、歩行空間は全面閉鎖、通行人らが避難し、一時は騒然となった。避難誘導はスムーズだったようで、歩行空間での被害はなかった。
しかし、ビルと歩行空間の出入り口シャッターは警備員が閉めたが、ビルの内側にある防火扉が自動で締まらず、ビル管理会社は手動による閉鎖を失念していた。防火扉が開いたままだったことから、歩行空間に煙が流入した。火災の40分ほど前に煙感知器の誤作動があり、管理会社が防火扉と連動する防災システムのスイッチを切っていた。人為的ミスがあった。
地下歩行空間には強制換気装置やスプリンクラーが設置されていないことが分かった。それら装置の設置について、記者会見で質問された上田札幌市長は「強制換気装置を置いたらどうかという議論もあるが、それがなくても自然還流で煙が排除できる構造になっている」と説明。スプリンクラーについては「燃えるようなものがほぼ存在しない。歩行空間は法律上道路であり、法的に義務付けがない」として、否定的見解を示した。
「事故が発生した場合、直ちに外に出る誘導体制も、10人以上のスタッフを常時配置しており、出口まで20メート程度歩くことで1分か2分で外に出られる」として、新たな設備設置より、適切な事件の発生告知と避難がしっかりしていれば対応できる、と説明した。既にあるものを活用することについて、点検、確認をやっていく、という。
しかし、上田市長が言うように、地下歩行空間には本当に燃えるようなものがないのか、実際に歩いてみれば、そうは思えない。防火扉なども、本当に完璧に作動するのか。事故が起きてみれば、人為的ミスが重なっていたことが少なくない。何重もの備えがあって、1つが駄目でも他が働くことが防災の基本ではないのか。実際に被害が出れば、「想定外だった」では済まされない。 ♯♯
■北電の大幅再値上げ申請に上田文雄市長が不快感 (14.08)
過去の非礼を示唆、「経営努力」不足を指摘
北海道電力が10月から家庭向け17.03%、企業向け22.61%の値上げを申請したことに対し、上田文雄市長がかなりの不快感を示した。この件に関しては、「でんまが」も上田市長の発言・姿勢を支持します。
今回の電気料金値上げ申請は昨年9月のほぼ2倍。これについて8月31日の記者会見で上田市長が所見を問われ、「大変厳しい申請内容」「上げ幅が非常に大きい」「市民の日常生活、企業活動に甚大な影響がある」など、初めはまあ、普通の発言。
しかし、さらには「1年経過して、また値上げがあるということがどれぐらい長期的な視点に立って経営をされているのか、私たちには、なかなか理解を超えるものがある」と北電の経営姿勢を批判。「この値上げが最後なのか、それとも、そうではないのか」「計画書を垣間見ると、原子力関係施設による発電11%という記載がある。そういうことを予定してこの幅でとどめているということのようにも読め、いかなる見地のもとで説明をされるのか、よくよくお聞きしなければならない」「この間の経営努力、そういうものがどういうふうになされているのか」と続けた。
記者から、市長が北電の経営陣から直接聞き取る機会を設ける考えはあるか、と問われたのに対し、「ぜひ意見交換はさせていただきたい」との答え。その前置きとして「多分、従前の例によりますと、札幌の支店長さんがご説明においでいただくようなことになるのかなというふうに思います」と発言したのが面白い。3年ほど前、上田市長が北電首脳に会談を申し入れたのに対し、北電側は常務取締役札幌支店長が対応するという、軽んじた扱いを見せた。上田市長が「常務さん」と言わず「札幌支店長さん」と言ったのは、あるいは意意図的に軽い方の肩書きを使ったのか。
札幌市として、電気料金値上げ分を公共料金に転嫁するか、との質問に対しては「前回の企業向け値上げは11%ぐらいで、札幌市の場合は12億円の負担増となった。今回はその倍以上の負担が実現すれば、財源をどうするのかとなるが、われわれの経営努力というか、市のさまざまな行政改革の中で考えていくのが筋だろうと今のところ考えております」との答え。「経営努力」という表現で、民間企業である北電の経営努力不足を皮肉ったのだろう。
北電に対する不快感が十分伝わる発言だ。「でんまが」も上田市長の指摘は至極当然、ごもっとも、と考える。できればもっと強い表現を期待したいものである。
■丘珠空港のページェント、一部に反対・不安 (14.07)
オスプレイ飛来、上田札幌市長は「皆さんが大変心配」…
丘珠空港に米軍のオスプレイ2機が飛来、第28回札航空ページェントで展示される。一部から不安の声が上がり、それを受けて札幌市、北海道が情報や説明を求めたが、主宰者の北海道航空協会や防衛庁から明確な回答はない、という状況。
市民団体、政党、労働団体などの反対・不安の声を受け、道は防衛庁に安全確保などを求める要望所を提出した。防衛庁は「安全は確認している。飛行計画は通常明らかにされないが、分かることがあれば情報提供する」と対応。互いに「形式的」とも言える。
札幌市は北海道航空協会などでつくる実行委員会に、飛行ルート、日時などの情報開示、同機の過去の墜落事故の原因や対策、市民への事前説明を求めた。これに対し実行委は「特別な説明をする予定はない」と文書で回答。過去の事故に関しては「北海道防衛局に問い合わせてほしい」とした。市にとっては不満足な対応で、再度申し入れとなった。「空港周辺を中心に、不安の声が多く寄せられている。市民にていねいな説明をし、不安の解消に努めるべき」などとしている。
実行委は例年より来場者が大幅に増えると予想、警備の増強や場合によって入場制限で対応する姿勢。 上田文雄札市長は7月10日の記者会見で、この問題について「皆さんが大変心配をされておりますオスプレイの問題についてお話をさせていただきます」と切り出した。「2機が地上展示されることになっており、住宅が密集し、学校や病院等の公共施設も多い空港周辺の状況を考えれば、オスプレイがこれらの上を通らずに会場に展示されることはあり得ない。多くの皆さん方が不安を抱いているという状況にあり、そのような声も寄せられている」としている。
オスプレイの過去の事故、沖縄県普天間飛行場への配備の経緯などからも、飛来に一部から反対・不安の声があることは否定できない。一方、丘珠空港で開催されるページェントには毎回多くの市民が訪れて楽しんでいることも事実。
中止要請、という選択肢もあろうが、防衛庁所管の施設で、米軍の協力も得て行うイベントに、札幌市は本来口を挟む権限がない。しかし、黙っているわけにいかないのだろう。実行委側の木で鼻をくくったような対応も、理にかなっているのかもしれない。
上田市長が「皆さんが心配している」と言う「皆さん」とはどのくらいの多数派なのか、反対・不安の声も、イベントそのものに対してか、米軍機に対してか、オスプレイに限ってか、もう少し客観データが欲しい。「みんながそう言っている」は、子どもが何かをねだるときの「名文句」だ。
<続報> 札幌市は7月17日、「市民への説明がないまま飛来することがないよう」と、実行委員会に文書で飛行中止を要請した。「市民の不安解消に務めるのが主催者の責任」としている。
一方、北海道防衛局は同機の飛行日程を関係自治体などに示した。
■福祉灯油やる気なし、口先のテクニック (14.02)
1月31日、上田文雄市長の臨時記者会見。記者からの「多くの自治体で実施している福祉灯油を行う考えはないか」の質問に、上田市長は否定的見解を述べた。「15万世帯が対象になり、1世帯1万円として事務費を入れて17億円が必要で、市民にとって納得できるお金の使い方か、疑問が残る」というのだが。
多くの市町村が福祉灯油として灯油代を補助しているが、札幌市は行っていない。かわりに「あったか応援資金」として高齢者、母子家庭、障害者の低所得世帯、生活保護世帯を対象に5万円限度の貸付を行ったことがある。あくまで貸付で、返済が義務づけられた。
しかし、財政規模が小さい市町村でも実施していることなのだから、札幌市もやったらどうか、と言う声がある。記者会見で毎日新聞記者が質問した。
それに対し、上田市長は「灯油が今1リットル104円と大変高額になっている。家計に極めて痛い。円安という日本の経済政策の中で出てきたもので、基本的にはこれは国のほうで何とかしてもらわないと、自治体で都度対応するわけにはなかなかいかない」と答えた。そして「実施するには17億円ほどかかる。むしろ、(灯油を)1割使わないで済むよう努力するよう呼びかけ、本当に緊急の場合には福祉のほうに相談してもらって対応することで問題を解決したい」と加えた。
この答えはなるほど、と思わせる。17億円は大きな金額で、毎年となれば財政に響くのかもしれない。しかし、待てよ。道内でも多くの自治体がそれを実施している事実がある。それに比べ、札幌市の財政はどうなのか。
共産党市議団が2008年に札幌市福祉灯油助成条例案を提出、多数の陳情が寄せられたが、成立しなかった。条例案では非課税世帯で、70歳以上のみで構成される世帯、要介護5の認定を受けた65歳以上の人のいる世帯、障害1級または2級の人のいる世帯、障害の程度をAとする療育手帳の交付を受けている人がいる世帯、児童扶養手当の支給対象児のいる世帯、生活保護を受給している世帯、のいずれかに該当する世帯が対象とされた。共産党市議団の試算では札幌市が必要な経費は当時約6億7000万円とされた。
上田市長が言う「17億円」とは開きが大きい。が、国から半額補助があれば市の負担は8億5000万円。それでも、前記6億7000万円とは差がある。工夫すればもう少し縮小できるのではないか。
それを「17億円」として「札幌市にとって、市民の皆さん方にとって納得できるお金の使い方かということになりますと、なかなか疑問が残る」言われれば、「そんなにかかるのか」と思える。要するに、上田市長は福祉灯油をやる考えがない。ハッキリそう言えばいいのに、何か、口先で誤魔化しのテクニックを弄していませんか。
■節電に名を借りた?猥雑なメタボ顔、目障りです。 (13.03)
「でんまが」読者のAさんから携帯写真が寄せられた。地下鉄大通駅の地下歩行空間入り口辺りの壁面に張られた一枚のポスター。写真からはポスターの大きさが分からないのですが、壁面のパネルから想像すると横幅40〜50センチありそうです。
真ん中に上田文雄札幌市長の胸から上の写真がドンと掲載され、下に「節電します」とあるので、市民に節電を呼びかけるポスターだということは分かります。Aさんは「市長のお顔ばかり大きくて、ほかに何か書いてあるけれど、通りすがりには読み取れません。明るめのグレーっぽい背景に文字を白抜きにしても、目立つわけありません」「これは、節電に名を借りて市長さんが目立つためのポスターじゃないの」と言っている。それなりのお金をかけてポスターを印刷したということは、当然市内のあちこちに同じものが張られているということでしょう。
画像をパソコン上で拡大しみても「北海道の○○は冬こそ本番。だから○○○ムリはせず、ムダを上手に省きましょう。ーーーー家計にも優しい省エネ○ライフスタイルをあたりまえの○○○ーーーできます。大雪なのは○○すること。さあ、皆さんご○○に」くらいしか見えない。携帯写真の写りが悪いことは確かですが、実際に通りすがりにこのポスターをみても、立ち止まってしっかり見ない限り、文言の中身は上記よりもっと読み取れないでしょう。
「節電します。」に対して「あんたが勝手に節電すればいいっしょや」は言わない。まあ「節電」を訴えれば、他の文字はどうでもいいのでしょう。しかし、ドッカーンと入っているこのメタボ男の顔は何とも目障りですね。制作者の意図が、目障りなもので目を引く、ということならかなり成功しています。それにしても、札幌市は約20億円もかけて大通駅を再整備するとか。現在よりもっと導線を改善して、吹き抜けから地上の明かりも入るような形で、センスの良い札幌にふさわしい格好にするのだとか。その大通駅にこの何とも猥雑な顔写真はいただけません。現在の大通駅がそれほど不都合だと思っている市民は少数派のはず。そんなことに大金を投じるより、市役所職員のセンスを磨くことの方が余程大切です。さすれば、こんな顔写真を公衆の面前にさらす発想は出てきません。
上田市長はご自分の写真がドーンと掲載されることにいたくご満悦なのでしょう。そして、これを企画した担当職員を「ういヤツじゃ」という扱い…? ですが、本当にこのメタボ顔はひどいものだと、自覚して下さい。初当選したときは「健康づくりのため自転車通勤する」とマスコミを騙しましてTV・新聞に登場しましたね。「ゴミ減量に合わせ自分もダイエットする、などとうそぶいていたころより一層三層ぶくぶくしい面構えになられ、「もう、生理的にイヤだイヤだ」という女性が増殖していますよ。「自己管理ができないヤツはダメだ」という声も。
高橋はるみ北海道知事が以前に道産米販売拡大対策のため「こめチェン!」を標榜して、TVコマーシャルや印刷物に登場したのに対し、上田市長と仲良しの民主党が「公費で選挙のため顔を売っている」とイチャモンつけました。当時はまず道産米の道内食率40%を目指す、という時期でした。それが現在80%と大成功しています。はるみ知事には「最近綺麗。化粧や服装もよくなって可愛くなった」という声が聞かれます。確かに、時々寝癖のままだった髪もスッキリしています。
そこで上田市長さん、側近で「上田見栄え(「上田拡大」じゃないからね!)対策委員会」でもつくって、もう少し風さいを上げてはいかが。目障りでさえなければ、ポスターに登場してもいいから…。
なお、どうしても写真を見たいという方はこちら。
■上田文雄市長、やる気もないのに「間に合わない」 (13.02)
福祉灯油要望の声に、高齢者、身障者らは1個所に集まってしのげ…?
定例札幌市議会で、福祉灯油の実施について代表質問を受けた上田文雄札幌市長は「これから準備しても間に合わない」と逃げた。実施する考えは全くないのに…。
福祉灯油は道内の多くの自治体が実施している制度で、高齢者、身体障害者、病気や精神障害者がある人などがいる世帯などに一定量の灯油購入券を配布する、といった形で助成するもの。これまで札幌市に対しても実施を要望する声が続いたが、市は導入していない。
2月19日の札幌市議会本会議で各派の代表質問があり、そのなかで福祉灯油についての市側の考えが質された。それに対し上田文雄札幌市長は「これから準備しても冬の需要期が過ぎて間に合わない」旨の答弁をした。
札幌市も1リットル平均100円を上回る高値が続いている認識は持っている。しかし上田市長は「市民が公共施設などの1つの場所に集まることで灯油を節約するウォームシェアなどで、なんとかしのいで頂きたい」と述べた。高齢者、身障者、病気の人などが1個所に集まってしのげばいい、という認識のようである。
1月30日には北海道生活等健康を守る会連合会など3団体が、市の保健福祉局に福祉灯油の実施を求める上田市長宛の要望書を届けた。これに対し市側は、現時点で実施する予定はない」とにべもない対応だった。
札幌市に対しては毎年福祉灯油の要望が寄せられる。上田市長の「これから準備しても…」という議会答弁は、やる気があることを示唆しているようだが、実は単なる逃げ口上。やる気がない事は過去の流れから見て明白だ。実施の考えがないのなら、その旨きちんと説明するべきだが、それを怠っている。
市は「あったか応援資金」として無利子、無担保、保証人不要で低所得者を対象に灯油購入資金の貸し付けを行っている。5月以降20回以内の分割で返済する制度で、高齢、母子、障害、生活保護世帯などが対象。完済しなければ次の借入ができない。
福祉灯油を実施した場合、どのくらいの予算が必要なのか公表されていないが、多くの自治体がやっていることであり、他の施策に比べ優先順位が低いとは言えまい。ああでもない、こうでもない、と時間稼ぎして、最後には「間に合わない」というのが役所の常套手段だということはバレバレだ。
■東区の親子孤立死、ライフラインを止めたのは誰だ!? (12.12)
上田文雄市長「足らざるところがあったか」と他人事
東区内のアパートで88歳の母親と61歳の息子が孤立死した。母親の年金と息子の生活保護費で暮らしていた。札幌市のケースワーカーが死亡直前に複数回訪問して、異常は把握できなかった。上田文雄市長は「市の対応に足りないところがあったか、十分検証したい」と言っているが…。
母親の年金が月額約13万円、息子は月額2万数千円の生活保護を受けていた。年金は10月上旬に引き出され残高数十円となった後、10・11月分が振り込まれていた。息子は5月以降生活保護費を区役所に受け取りに来ていない。母親は11月19〜23日老衰で死亡、息子は25〜26日に衰弱し(餓死?)したと見られる。遺体は痩せ細り、発見時に室内には数十円しか現金がなかった。
アパートでは電気と水道が止められていたのを、市の保健福祉局は認識していなかった。職員が19〜21日に訪問、応答がなく面会できなかったという。その数日後に息子が死亡した模様。16日以降の新聞がたまっていたため近所の住民が東区役所に通報。区職員とアパート管理会社職員が室内に入り遺体を発見。生活に困窮、衰弱して死亡した可能性が高い。
上田市長は11月28日の記者会見で「原因究明、そして、足らざるところがあったかどうかについても十分に検証させていただきたい」と語った。
生活困窮者の状況に不審なところがあっても、ケースワーカーなどが鍵を壊すなどして室内に入り込むのは難しい。異常がなかった場合、プライバシーの侵害が問題になる。難しい問題であることは確か。かといって、放置していいとは言えない。あらゆる手立てを尽くすべきだ。
最近、孤立死、孤独死の問題が新聞、テレビで取り上げられている。例示されるのは今春札幌市白石区で障害を抱えた妹と姉が、生活保護窓口に3回も相談に訪れながら、保護を受けられず孤立死した一件。今回の母子の孤立死でも札幌市は後手に回った。反省は活かされなかったのが、それとも反省自体がなかったのか。
白石区姉妹孤立死事件では、全国「餓死」 「孤立死」調査団が調査に入り、白石区役所で姉妹の生活保護申請時の相談状況を調査、同区などの保護受給者らからも話を聞いた。調査後まとめた提言で「ライフライン業者などとの連携強化、ケースワーカー職員の十分な配置と専門性の向上」などを求めた。札幌市も、電力会社、ガス会社などに情報提供を要請したはず。
今回の親子孤立死のケースでは「ライフライン業者」とは北海道電力と札幌水道局だ。同じ市役所内で水道局と保健福祉局で情報のやり取りがなかったのはおかしい。部局が違うといっても両方の最高責任者は市長であることは明白。しかし上田市長は「ライフライン事業者と札幌市の関係について「必ずその連絡をしなければならないというようなところまでは話は詰まっておりません」「事業者と札幌市の福祉サービスとの間で連携がうまくいっているというところまでは至っていないのが課題状況」と述べ、水道局の対応を擁護。
さらには「貧困ということと、熱あるいは水道の停止ということとが必ずしも一致しない」と言った。電気や水道が止められたことが、必ずしも重大サインではない、と困窮者に対し水を止めたライフライン事業者である市側、つまり市長自身の言い訳を正当化しようとしている。社会常識では「生活に困ってはいないが、電気や水は要らない」という市民が全くゼロではないにしても、ごく少数の特殊ケースのはず。ていねいな事情把握と対応を怠った結果が今回の親子の孤立死だ。「足らざるところがあったか検証」と、他人事みたいな市長の言いぐさはない。
何もやらず、「やろうとしていた」と言い、何か起きれば責任逃れ。
■北海道からの2重構造見直し論に上田札幌市長「うっちゃり」の構え (12.06)
「どういう問題意識かよく分からない」「無駄を感じていない」と
道が札幌市との間でテーマ別に事務レベルの協議の場を設け、政策面での連携強化を目指す方針。政策立案部門だけでなく、事業実施部門の職員も参加し、より効率的な行政運営を目指すのだという。指摘される2重行政の弊害にも対応する狙いだが、上田文雄札幌市長は「どういう問題意識か分からない」「無駄が明らかにあるものはあまり感じていない」と受け流している。
道は観光や医療、防災などのテーマごとの協議組織も設け、互いの政策に反映するため、「政策担当職員の人事交流も実施する」とそれなりに前向き。札幌市との2重行政解消のための検証作業もやり、6月18日にまとめた中間報告では、中小企業対策、観光振興、企業誘致などの分野で「2重行政が発生しやすい」としている。道と札幌市が協議組織を持つことで、そうした弊害の解消が期待できるという。高橋はるみ知事も道議会で「道と札幌市が関連する政策を有機的な連携のもとに展開することが大切」と意欲を示した。
これについて、6月26日に開かれた上田文雄札幌市長の記者会見での発言を詳細に見てみると、なかなか含みのある発言となっていた。
まず「2重行政はよく問題になりますが、また、北海道のほうからも10項目以上ですか、これはどういう問題意識の中でつくられたか分かりませんが…」と、道側の「問題意識」がよく分からない、と指摘。そして「とりあえず、形式的にかぶっているものがあるよというようなことはお示しになられました。しかし、それを見させていただいても、無駄というふうな視点からは、なかなか説得的な、これは無駄だというふうなものは発見し難いというのが私の今の感想でございます」と「うっちゃり」の構え。
道立高校と私立高校があるのは2重構造だから改革すべき、どちらかに一本化するというものではない。スポーツ施設の「きたえーる」と札幌市立体育館があるが、無駄で余っているわけでなく、有効活用されていることなどを考えれば、「挙げておられることが、どういう問題意識で挙げておられるのかがまだちょっと分からない」「とりあえず、今は、無駄が明らかにあるというふうなものは、私どもはあまり感じていないというのが現状」と指摘。
「我々の問題意識では施設をつくったり、施策をつくるときには、北海道の施策とどのようにかぶらないようにするかということは十分慎重に協議をしながら、道とも意見を交換するというふうなことをしながら、政策を決定してきているという経過がございます」と、道が言うようなことはすでにちゃんとやっているよ、と言わんばかり。
高橋知事と上田市長の間には、知事が震災地のがれき受け入れを要請するのを市長が事実上拒絶、互いの発言を取り上げて丁々発止。北電泊原発については、知事が意見聴取する範囲を後志管内とし、市長は札幌市も加えるべきと強い主張。経営危機に瀕する北海道エアシステム(HAC)への出資でも悶着があった。
新たな協議組織を作る以前のテーマとして、定例のはずの知事と市長が顔を合わせる「北海道・札幌市行政懇談会」開催があるはず。「そこで出る具体的テーマについて、政策、事務、事業実施レベルで協議すればいいじゃないか。協議組織だけ先行させる必要性はないね」−そう言いたいのなら上田市長の肩を持ちたい。両トップの直接対話がないのは、どうやら高橋知事側が上田市長を毛嫌いして、敬遠しているのが真相に近い。
そんなことなら発想を大転換、知事と札幌市長の2重構造自体を廃止して、「新北海道」か「札幌府」にでも統一すれば、根本的な無駄削減になるのではないか。論理は「大阪維新の会」から借りてくればいい。公正な選挙によって、互いに嫌な相手を退場させられ、首長が1人減る。道、札幌市の職員も削減できる。新トップの給料は現行の低い方の基準で行けばいい。上田市長は前回は何とか委員会の提言があっても自分の給料を格好よく自主カットしたのを、今年度からは「丸々もらい」に改めた。某雑誌がそのことを「強欲」と書いてあった。「でんまが」は知事より高い給料に見合うことをやってくれれば、そこまでは言いません。
■上田文雄札幌市長、東日本のがれき受け入れを断固拒否 (12.03)
国の基準は信用出来ない、道民世論は知識が足りない、我こそ正論。
東日本大震災によるがれきの処理が復興への大きな足かせ。上田文雄札幌市長は「受入れるつもりはない」の発言を続けている。慎重な判断を要する問題であることは確かだが、他の自治体がどう対応しようが、道民世論がどうであろうが、国の言うことは信用できない、と断固拒否。全国民が「絆」を結び、苦痛、悲しみを分け合って取り組まなければならない問題。札幌市は冷徹に「受け入れない」で、本当にいいのか。放射能の影響について全く知識がない筆者には可否を判断出来ない。しかし、そういうやり方は嫌いだ。
上田市長は3月7日の定例記者会見でメディアからがれき問題を問われた。要約すれば「国の基準についての信頼性を、私たちが本当に放射性物質の恐ろしさについて、十分に理解した上でオーケーと言っているのか、極めて慎重に判断をしなければならない。放射性物質の特徴は、微弱であっても、ないよりは必ずあるほうが問題だと言われる性質のもので、極めて長寿命の物質である。風評被害であれだけ問題になった3県の食べ物について、本当に生産者がご苦労されていた。北海道は影響はなかったと言うためにどれだけの苦労をしたのかを思い起こして、国の基準の焼却灰1キログラム当たり8000ベクレルの値がどういう意味を持つのか、どういう印象を消費者が持つのか、きちんとした納得がない以上、受け入れるべきではない」というのが、答えだった。
「全く放射線がないでと言われたら、断る理由はない。協力したほうがいい」としながらも、「政府の方針として出しているのはそうではない」と付け加えた。放射線ゼロならいいが、政府が「1キロあたり8000ベクレル以下なら焼却灰の埋め立てをしてもいい」というのは信用できない、という主張だ。国はがれき受け入れを都道府県、政令指定都市にも要請する構えだが、札幌市はそれでも「NO!」の答えを撤回する考えはない、としている。
がれきに対する反応はまちまち。高橋はるみ知事は「国からの十分な対応があれば」の条件つきで、道内への受入を慎重に検討する姿勢。苫小牧市、稚内市、名寄市なども同じ。一方、当初受け入れを考えた市町村の中には、慎重姿勢へ転換したところもある。
東日本の復興のために今急がれる最大の課題はがれき処理だ。家や財産どころか、家族や親しい人たちを失った地元の人たちが、他地区から「放射線がゼロではないからダメ」と言われるそのがれきの山を見ながら、日々の生活に苦闘している。それに対して、がれきは当市には持ってこさせない、国が認める基準は信用しない、ちょっとでも放射能があればダメ、地元の人たちがそこで暮らすことは仕方がないではないか、あくまで政府の責任で地元で処理すればいい、というのが上田市長の言わんとするところだ。
今、日本中に「絆」という言葉が言われている。苦しみ、悲しみ、痛みを分かち合い、共有し、助け合う、少しでも手を差し伸べる、心を届ける、そんな思いから日本国民が行動することを求められている。「放射能がちょっとでもあるものはダメ」と言われる東日本の人たちは、どんな思いをするだろうか。筆者だったら「札幌でなにか災害でも起きたら、見ておれ」という気持ちになる。
とは言っても、上田市長は専門家並みの見識があるのだろう。札幌市民全体の安心・安全を考える立場は重いのだろう。石原慎太郎東京知事のいち早いがれき受け入れは、十分な考えもなく暴走した行為だと思っているのだろう。道民の80%が受け入れに前向きであっても、そう考えるのは知識が浅い愚衆なのか。上田市長ががれき受入を断固拒絶することは秀でた英知なのかもしれない。筆者は放射線については全く知識を持たないので、論理的な可否、善悪は判断出来ない。しかし、個人的な感情なら言わせてもらっていいだろう。上田市長のやり方は嫌いである。醜い太り過ぎにも嫌悪を覚える。あの目つきの悪さからも、人間性を信用できない。
■脱原発依存で「世論誘導」、騙しのテクニックは駄目です(11.11)
札幌市は、原子力発電に依存しない社会を目指して、原子力発電に替わる再生エネルギーへの転換を進めるとともに、省エネルギー推進、ライフスタイル見直しを推進する方針。過日市民に脱原発依存を目指す観点から、再生可能エネルギーや省エネルギー等についての意見を募集、その結果上田文雄市長が11月7日の定例記者会見で報告した。
寄せられた意見は36件で、圧倒的に脱原発依存を目指して、省エネの推進・再生可能エネルギーの普及が必要だとするものだった。専門的な知見を持つ市民からは、発電と送電を分離し、発電事業者参入を進めることで、民間活力を生み、産業活性化につながるの、とう意見もあったとのこと。
市は500万円ほど調査費を計上、今回の意見に加え、さらに具体的な考えを把握するため、近く市民11000人と事業者、企業の600社を対象に、これからのエネルギーのあり方に関する意識調査を行う考え。それらの意見をエネルギー転換調査の際にも活用し、具体的にどうすべきかを考えていく資料にしていきたい、としている。
メディアからは「意見が36件は少ない。参考になるのか」と質問があった。上田市長は「この期間に限った件数はそうだが、原発事故以来市長宛てメールなどは400件くらい来ている。原発については250−260件が私の発言に賛同するもの。慎重に考えるべきという意見は2件だった。全体的な傾向は今回の36件と合わせて考えると、非常に明快なものが出ている」と答えた。
しかし、札幌市が「脱原発依存の社会を目指した市民意見」を募集したのに対する回答なら、脱原発を前提とした意見が集まるのは当然のことだ。反対意見を募集してはいないのだから。それが36件。そこから分かるのは多くの市民が問題に関心を持っていないということだ。市長当てメールの送り主はほとんどが「市長親衛隊」のような市民だと推測できる。市長の考え方に賛同するものが集まるのはこれまた当然だ。その両者をごちゃ混ぜにして判断しようとしている。
今のところあくまで少数意見をプールしただけ。本格的には市民1000人、企業600社の意見を市政推進の参考にするのだろう。だが、意見募集のやり方にヘンなところがないか、市民は十分注意する必要がある。筆者は省エネや他のエネルギーでカバーできるのなら脱原発依存への軟着陸が望ましいと考えている。基本的に上田市長と同じ方向。もちろん、偏らない立場から市民に問題提議することは必要。だが市民を「愚衆」扱いして、をうまく騙しながら自分の考えの方へ誘導するやり方は、上田市長自らが批判するところの「世論誘導」であり、広義には「やらせ」とも言える。騙しのテクニックは駄目です。
■全国学力テストに反対、誰かの無能・怠慢に加担 (11.09)
9月27日から小学6年、中学3年を対象にした全国学力テストが道内でも始まった。国語、算数について基礎的知識を問うA問題、知識の活用力を問うB問題が出題されたが、いずれにしても全国対象に共通基礎学力を試すものだ。テスト結果の集計は児童・生徒、学校、市町村教育委員会に知らされる。
これに対し「学力のとらえ方が一面的、教師や子どもに負担が大きい」とする反対論もある。道内で圧倒的多数を抱える札幌市はこの学力テストに不参加。新聞報道によれば上田市長は「学テは役に立たない」と参加に反対。なんと、札幌以外の道内市町村が取り組んだものを,上田市長は「役に立たない」と言い放った? 他の市長村長、教育長はそれを聞いてどう思ったか興味深い。
もっとも報道は正確ではない。9月26日の定例記者会見で上田市長は「何年かに1回、どうだろうかという意味合いで抽出して、テストを受ける、それを参考にする、そういうことであれば何も問題ないと思う」「到達度を一定程度、先生方が、自分の教え方がまずかったのか、というふうなことをチェックするのは当然のこと。それは、子どもたちの励みにも、また、教育をする側の反省材料にもなるもので、そういう形の教育的なテストは、これは必要」と話している。
ただし「一律に教育の物差しを突き付けて、先生、頑張らなきゃなみたいな、わがまちは頑張らなければならないというふうなことは、あまり生産的ではない。かえって格差というふうな言葉で非常に人を焦らせて、慌てさせる、そういう弊害を生みやすい」「どこの学校が勝っているから、それを追いかけなければという意味合いのものであってはならないというのが基本」「それを一斉にやったりすることにどれだけの意味があるのですか」という言い回しで、結局反対しているのだ。
しかし「到達度を一定程度チェックする」には広地域的に基本的な統一問題を実施してこそ客観性が担保されるはず。その具体的方法として全国学力・学習状況調査が実施されているのだ。それをボイコットして、どうやって客観的な到達度をチェックできるのか。札幌市は独自に全国学力テストを上回る客観性が得られる方法を実施しているのか。やった上で、学テを否定してはどうか。もっとも、市単独でそれができるというのなら、思い上がりもいいところだ。
教育には多様性があっていい。地域の独自性、学校、教師の特異さも。児童・生徒の個性を生かすユニークな授業も歓迎する。しかし、それらは読み書き、計算など共通基本部分の上に成り立つものだ。そういった自分たちの基礎学力の度合いは、他と比べてこそ把握できる。それが格差を露呈するからイヤだ、という一部の人たちの本音があることは理解できる。自分たちの無能、怠慢がばれてはまずい。上田市長もその1人なんですかね。
■市職員のハレンチ罪、「オレは悪くない」?? (11.06)
児童買春容疑で逮捕された札幌市北区役所職員が,6月に入って免職処分となった。市職員によるこんな情けない不祥事が相次いでいるが、上田市長は「私生活上の個人的な問題であり、自分が市民に謝罪する必要なし」との態度を貫いている。この論法、どこかしっくりしないです。
北区役所男性職員(38)は今年1月下旬、インターネットの出会い系サイトで知り合った女子中学生と,18歳未満であることを知りながら市内ホテルで1万円を渡していかがわしい行為をした容疑。5月25日に逮捕され、市は6月7日付で懲戒免職処分に。
事件は「またか!」という感じ。昨年2月,消防局職員が定山渓の温泉施設内で女子更衣室を盗撮して逮捕。7月には手稲区役所職員がインターネットのチャットで知り合った17歳の女子高生に1万円を渡していかがわしい行為をしたとして逮捕。同月、子ども未来局職員が中央区のマンション敷地内で歩行中の女性に抱きつき逮捕。うんざり。
こんな場合、市長が謝罪談話を発表するのが通例かと思っていたら、上田文雄札幌市長は汚職など市の組織がらみの問題なら市民に謝るが、職員の私的な問題は謝罪の必要なし、とする態度だ。
北区職員の児童買春事件では吉沢政昭北区長が「被害者と市民に多大なる迷惑をかけ、深くお詫びします」とコメントを発表した。だが「私的問題なので市長の謝罪は必要なし」とする問題なら区長や上司だって謝罪の必要はないのではないか。問題職員の上司に謝罪させて、監督不行き届きで処分。市長は「オレは悪くない。お前らが悪い」という、分かりやすい態度ですね。
「でんまが」は市職員の不祥事撲滅にも「割れ窓」理論の実践を提唱したい。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが説いた,軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を抑止する、というやり方だ。市役所や関係団体職員の中には、犯罪とまで言えなくても見逃されている軽微な問題行動が少なくないはず。それを徹底的に排除する。「そんなものはない」と言うのなら、あれこれ事実を突きつける用意があります。
■他人の不幸をダシに募金活動へ押しかけパフォーマンス (11.04)
市立清田高校で3月1日行われた卒業式に地元清田区の自民党道議会議員・宮村素子氏が臨席。会場で同議員を紹介したことで、西村喜憲校長が教育委員会からお目玉を食らった。校長は市教委学校教育指導担当部長経験者だが、統一地方選挙を控えた宮村道議の臨席申し出に対する慎重さが欠けていた。本人も深く反省したようだ。
選挙が近づけば、各級候補予定者はそれなりにいろいろな場面への顔見せに努力する。少々えげつないこともあり得る。まあ、それは世間の常識。選挙を意図したものでなければ,会合などへの参加や名前の紹介などは公職選挙法違反とまでは言えないそうで、となれば当事者は「選挙を意図していない」と言い張るに決まっている。
ところで、東日本大震災・津波被災者への義援金活動が活発に行われている。北海道選挙管理委員会は「政党が行う場合は,売名行為になる可能性もあるのでよく考慮する必要があろ」との見解。そこで「新党大地」は街頭募金活動を見合わせた。
一方、3月22日、日本ハムファイターズの梨田昌孝監督以下、ダルビッシュ有・斎藤佑樹投手、田中賢介・稲葉篤紀選手ら30人が、札幌駅前地下歩行空間で5人ずつ20分ごとに募金箱の前で呼びかけた。多くの市民が協力。なんと、われらが上田文雄市長がその場に駆けつけ(押しかけ?)活動に参加した。当然ながら、市長選挙を控えたタイミング。普通に解釈すれば、人の不幸をダシにした売名行為。本人がそんな気はないと言っても「李下に冠を正さず」の配慮が必要だ。これでは市教委から叱られた先の校長と同じではないか。
誰も市長を叱れないのなら、「でんまが」がやって上げます。「こら、こら!! 上田くん」 本人が純粋な気持ちというのなら、人に募金を呼びかけるより、自分でなるべくたくさんのお金を出しなさい。選挙区以外への寄付なら選挙違反にはならないので。やっぱり、これはえげつないパフォーマンスと言われても仕方ない。
選挙期間中、市長候補らが駅前地下道で通行人との握手作戦を行い、ビラ配り、写真撮影に応じるなどした。札幌市は「通行の妨げになる」と判断、一応候補者陣営に注意したことになっているようです。
■どこか納得いかない寺島実郎氏、上田文雄市長ディスカッション (11.02)
2月25日、共済ホールで「札幌市経済界フォーラム」なる催しがあった。多くのメディアなどで活躍する寺島実郎氏(日本総合研究所理事長)を招き,グローバルな視野から日本経済の展望について話を聞き、パネルディスカッションで北海道・札幌市の豊富な「食」にスポットを当て、産業振興のあり方を討論する」というもの。主催は財団法人さっぽろ産業振興財団と札幌市で、両方とも代表は上田文雄市長。
パネリストとしては林美香子氏(キャスター・慶應義塾大学大学院教授)、泉山利彦氏(サッポロビール北海道本社代表)、太田孝氏(日本経済新聞札幌支社長)と、当然上田市長が登場した。市長選が近いので上田市長の顔見せの場の1つ、という狙いも勘ぐれるが、結構な企画である。
古い話で恐縮だが、上田市長の後援会である「みんなでつくる札幌・市民の会」が07年11月に札幌パークホテルで「上田文雄の元気セミナー」を開催。「寺島実郎氏が来て講演する」ことが売りだった。ところが,これは詐欺に近い話で、初めから寺島氏の出席予定はなかったのに、当日「洞爺湖サミット関連の急な要件のため出席できなくなった」と誤魔化した。1万円のチケットを購入して出席した人を騙す行為だ。筆者も失望させられた1人。
これは上田市長本人が仕組んだことではないが、当人は「寺島先生のお話だから聞きたいということで、大枚、参加費用をご負担いただきましてお出で頂いたという方が大勢おられると思いますけれども、それが実現できなかったことについて、私からもお詫びを申し上げたいと思います」と釈明。自身も寺島氏の話しを聞きたかった、別な機会を期待する、などと話したはずだ。
今回のフォーラムはそれを実現したものかもしれないが、どうも納得できない。以前の上田セミナーで失望させられた人のことを考えれば、上田後援会が費用を負担して機会を設けるべきだった。それを、さっぽろ産業振興財団と札幌市の主催で、つまり我々市民の税金でやってくれた。何かが、違うのではないか。それが、市長選を控えたタイミングで、「自分は地元経済振興にも熱心に取り組んでいる」と訴えるパフォーマンスならば、やはり肚が立つ。
■騙されてはいけない! 市民意識を見透かしたタヌキ的手法 (11.01)
北海道新聞2010年12月22日「札幌市長選」について「立候補予定の2人にズバリ聞く」のインタビュー。 「市民自治は市民が利点を実感しにくい政策ではないですか」の質問に対し現職の上田文雄市長は「(略)『正しい政策か』『もう少しちがう方法がなかったか』と議論できることが、民主主義ではないでしょうか」と答えている。この発言は正にその通り、当たり前すぎてほとんど意味がないのだが、札幌市の事業の進め方について、本当にその通りに運ばれてきたのか、しっかりした検証が必要だ。
さらに、「市民参加の札幌版事業仕分けは混乱も出ています」の質問に対しては、「混乱して当たり前だと思います。利用者の話を聞いたら『必要だ』というに決まっています。ただ、仕分けで『廃止』判定でもできないこともある。事業の存在も含めて、利用していない人の税金で賄うことがいいのか、という議論ですから」と答えている。
「利用者の話を聞いたら『必要だ』というに決まっています」もまた、ズバリその通りだ。市民の身の回りの公共施設を、廃止しましょうか、存続しましょうか、と聞かれれば「残して欲しい」というのが大多数の答えだろう。上田市長は市民の行政に対する要望をよく分かっている。場合によっては多少身勝手であることも含めてだ。
何か施設を新設する、イベントを開催することの賛否を問えば、これまた「必要だ」というに決まっている。この市民意識を行政側が都合よく利用できることも、上田市長は当然分かっている。
09年に花博札幌開催の賛否を問う市民アンケートを実施した際、札幌市が考えたのは、単純に賛否を問えば「賛成」が多いに決まっている、ことだ。そこで総事業費から収入を差し引くと大きな赤字になる、巨額な市費負担、と協調した。それでも賛否はほぼ同数だった。この手法で花博開催は流れた。筆者は開催を見送ったことには賛成だが、そこに至るなまずるい手法に反発を感じる。
いま上田市長が企図しているのが市電路線の延伸だ。路面電車が便利になることに、市民は基本的には文句はない。多数が「賛成」というに決まっている。しかし、札幌市の市民意見の集め方には、イメージ先行で延伸へと誘導する意図がありあり。正に「利用者の話を聞いたら『必要だ』というに決まっています」を利用しようとしている。
しかし、「正しい政策か」「もう少しちがう方法がなかったか」「利用していない人の税金で賄うことがいいのか」と議論することを避けている。下世話な言い方だが、市民の下心を見透かした行政の進め方だ。残念だが、それに乗せられている向きも少なくない。上田市長には「お馬鹿な市民の欲に簡単につけ込める」と考える詐欺師に似た腹黒さが詰まっている。タヌキ的手法にうまく騙されないよう、我々は少しだけ賢くなる必要があります。
■清掃工場談合、タクマの損害賠償額は「相当」でなく「テキトー」 (10.11)
全国各地の焼却炉建設工事受注をめぐって談合があったと、2006年、公正取引委員会が審決した。札幌では1997年白石清掃工場建設工事の入札に4社が参加、タクマが363億円で受注。99.62%の高落札率だった。市はタクマに落札額の10%、約36億円を不正による損害額だとして返還を求める訴訟を起こしていた。11月4日、タクマが落札額の5%を支払うことで和解、上田文雄市長が得意然として記者会見で“勝利宣言”したのだが、本当に勝利か、どうも腑に落ちません。
和解金は契約金額の5%に当たる18億1400万円に利息分6億6000万円を加えた24億7400万円。なかなかの金額。これを札幌市が取り戻した、という感じはある、一応。弁護士でもある上田市長は札幌地裁での和解協議にわざわざ立ち会い、司法記者クラブで会見、“法律の専門家”の顔で「裁判所が証拠に基づいて5%を認定したのは相当なものだと判断する」とコメントした。解決を自分の手柄にするいやらしさが感じられる。
ところがこれは、単に「いやらしさ」で片付けられない問題だ。上田市長は「5%」を「相当」としているが、本当にそうなのか疑問があるのだ。市民の財産に関する問題なのに、いい加減なところで手を打って決着をつけ、なかなかの金額の勝利のように見せて、得意顔でパフォーマンスした疑惑が拭えないのだ。
ごみ焼却炉談合による各地方自治体の損害賠償訴訟で認定された損害額は、京都市8%、米子市8%、福岡市7%、神戸市6%、南河内清掃組合5.77%、多摩市・新潟県・横浜市・いわき市5%・東京都5%(いずれも契約額に対して)で原告勝訴の判決。
札幌市の5%の和解は上記に照らして最低ラインでの妥協で、本当に妥当、相当と言えるのか。市民の損害分を真剣に少しでも多く取り戻す姿勢なら、そんなに簡単に手を打ってよかったのか。テキトー(正しい意味の「適当」ではない)なところで決着して、自分の手柄のように喧伝、来春の市長選に向けたパフォーマンスなら市民に対する裏切り行為だ。
あくまで判決を求め、もっと頑張っても決して損にはならなかった。解決が長引いても、その間5%の金利がついて回る。何十億円かを運用しても今どきそんな利回りは望めない有利さなのだ。上田市長が本当に“法律の専門家”で、少しは経済も分かる人物ならこんなドジは踏まなかったはず。中途半端な幕引きで億単位の金額を取り損なった損害の責を、今度は上田市長が負うべきなのですよ。
■札幌市職員給与見直し、「国の抑制方針には従いません」 (10.09)
国家公務員の給料について、総務大臣が人事院勧告よりさらに抑制すると発言。しかし、上田文雄札幌市長は9月22日の記者会見で、国がそれを実施した場合でも札幌市職員の給与については国に追随しない考えを示した。
「基本的に人事院勧告制度が重視されるべきだ。これは法律上の保障の問題であり、人事院勧告制度をないがしろにするという発言は好ましいものではない」「法律を少し勉強した者としては、その制度を政治的な判断だけでないがしろにすることができるのかということについては、強い疑問を私は持っている」「各自治体に人事委員会が設置されているわけで、人事院勧告に従わない国が、地方に対して人事委員会勧告を無視しろというのは、どこから出てくる議論か私は分かりません」としている。
ただ「極めて例外的・緊急的・危機的状況の中でそのようなことが行われるということが全くないとは私は言いません」として夕張市などが例外だとする見解。「大方の国民が、それはもうやむを得ないと、みんなこうなんだからという法律を超える異常事態、法律が想定しない異常事態が発生しているということであれば、抜本的な制度の見直しともにやらなければいけないのではないか」と語った。
つまり、公務員給与が民間より高い感じがあっても、現状ではそのままで良い、と言っている。法律、制度そのものを改善するほどの「異常事態」ではないので、現在の中小零細企業従業員が公務員よりはるかに低い悲惨なレベルであっても、公務員給与のあり方を見直す段階ではない、と言っているのだ。
市民が感じている不合理、不公平感,怒りに市民派市長としては余りにも鈍感ではないか。「制度があるんだからそれに従うべき」というのなら「悪法も法なり」という論理と同じだ。
札幌市人事委員会はは9月16日に勧告を出した。期末・勤勉手当を2年連続で引き下げる(マイナス0.2カ月)、月給は公民格差が極め小さい(0.04%)ので改定を見送る、平均年間給与は7.4万円(マイナス1.23%)というもの。
民間給与と比較するというのだが、その民間とは基本的に「企業規模50人以上で、かつ、事業所規模50人以上の市内の民間事業所」とされている。圧倒的に労働人口が多い中小零細企業では決してない。だから、従業員50人以上の企業は「雲の上の存在」と感じている圧倒的多数の一般市民にとって、市役所職員の給与レベルも雲の上の話なのだ。
大多数市民にとってこれはもはや「法律が想定しない異常事態」だ。もっとも「法律が想定しない」かどうかは確かに疑問がある。この法律は、役人の給料を一般庶民より高くするために、役人がつくったものだから、公務員給与が一般庶民より高いことを想定していることは確かなのだ。
だが、そんな役人に都合が良い「官高民低」のお手盛り制度がいつまでもまかり通るのはおかしいのだ。「抜本的な制度の見直し」はとっくにやらなければならない段階なのだ。
上田市長は先のように「法律を少し勉強した者としては、制度を政治的な判断だけでないがしろにすることができるのか、強い疑問を持っている」と言うが、「法律の勉強」よりも社会の勉強をしっかりやれば、そんな時代錯誤のずれた発言は出てこないはずだ。「法律バカ」市長は要らない。
■記者クラブとの懇親会、市長・副市長は公費、局長以下は私費 (10.09)
札幌市役所内に新聞やテレビのいわゆる大手メディアで構成する札幌市政記者クラブがあり、定期的に市長、副市長ら市役所幹部との懇親会を開いている。今年は6月に催された。この懇親会費用は、市長・副市長は公費で支出、局長以下は私費参加という差別がある。
上田文雄市長が公費を使うということは、公務として、市政にプラスになる、市民の利益になることが前提。これについて上田市長は8月25日の記者会見で「市政記者クラブは札幌市の行政が何をしようとしてるのかについて市民に理解してもらうためのパイプ役になってもらっている。重要な役割を果たしてもらっていると思い、期待している。その記者クラブの主催で懇親会が開かれる際に招かれ、公務として参加させて頂き、よりコミュニケーションを図ることに資すると考えている。行政と市民双方にとって利益なことだと考える」と答えた。
「メディアと言葉がきちんと通じるという信頼関係がなければならない。その意味でコミュニケーションを豊かにするために招かれていると思うので、それに公費の負担ということで、公務として参加させて頂いている」とも。
「でんまが」はこの市長説明はごく自然なものと受け止める。ただ、市長・副市長は公務として公費負担し、局長以下は公務ではないので?私費で参加するというのは、今ひとつ合点が行かない。市長が公務なら、局長以下だって公務なのではないのか。市長・副市長は偉いから公費負担で、局長以下は偉くないから市費負担、とういうのなら中小零細企業的な発想のように感じられて仕方がない。局長以下の「偉くない」」皆さんは、それでよろしいのでしょうか。やっぱり、上田市長はずるいのではないですか。
■HACの経営支援問題、上田市長の正論を支持します… (10.08)
HAC(北海道エアシステム)の経営支援について道から要請を受けた札幌市・上田文雄市長が「丘珠空港を拠点とし、道は株保有割合を49%以上とする、札幌市はJALの出資比率を下回る」ことを条件として突きつけている。
上田市長は「これまでHACの経営責任を果たしてきた道、JALから今後どうするかという展望をしっか聞いた上で、札幌市が取り得る方法を議論していきたい」「減資あるいは増資をする際には、そうせざるを得ない状況、事情、その原因が何なのかを明確にした上で、その責任も併せて今後どのように体制を取るのかということが議論されなければならない。社会的責任として当然問われることだ」と筋の通った発言。
また「A-netが丘珠空港退却を表明した段階から、札幌市は道内交通ネットワークにおける丘珠の位置づけなどついては何も包み隠さず道と協議してきた」として、HACに丘珠か新千歳に路線を集約させる、とする道の方針は丘珠集約の合意を守らない、信義に反するものと受け止める。「A-netが新千歳に集約し、HACが両方にまたがることの理由がどこにあるのかも含めて、冷静に議論するべきであるにかかわらず、負担のことだけ先に出てくると、それは何なんだろうか」と疑問を呈するのだ。
さらに、道が札幌市に提示した減増資案で、JAL保有のHAC株売却額の1株当たり単価を取得時の92%とした。JALは51%に当たる4998株を1株5万円、計2億4990万円で取得している。同社の出資比率を15.9%に引き下げるため保有株の45%、2230株を1株当たり4万6200円(計1億303万円)で手放す設定。
この金額についても上田市長が異論を呈した。「出資額、株式の価値は当然客観的に妥当であるべき。それを評価するのには、将来にわたる経営見通しが出資を引き受ける際、あるいは株の譲渡価格にしっかり反映すべきものだ。まだ3年分とか5年分の見通し、経営戦略などしか聞いていない状況の中で、株式の価格をそのように見積もった根拠がよく分からないので、評価のしようがない」というもの。
この欄「コラ!む!上田くん」をお読み頂けば分かるとおり、筆者は決して上田市長ファンではないが、ことHAC支援問題に関しては、上記のような市長発言は正論だと支持します。市政全般、是非このように分かりやすい論理で貫いて欲しいものだ。
■支持率ダウン、不支持率大幅アップはなぜ? (10.05)
北海道新聞が4月末に発表した世論調査結果によれば、上田文雄札幌市長の支持率は40%(08年6月41%)、不支持率が32%(同21%)だった。ちなみに高橋はるみ知事は支持率55%、不支持率21%。
「自分は一生懸命やっているのに、知事より支持率が10%低く、不支持立が10%高い」と、上田市長はこの結果が大いに不満らしい。確かに刑事事件など市職員の相次ぐ不祥事、バス路線、児童会館のトルエン被害など不手際が相次いでいる。一方で、民主党政権誕生で新幹線札幌延伸に活躍、近隣自治体首長との交流などでリーダーシップを発揮し、円山公園の花見時期が遅れたことに対応した火気使用期間の繰り下げなど、市民向けのパフォーマンスもしたたかにやっている。にもかかわらずなんで評判が悪いのか、という思いなのだろう。
まあ、市民の支持率などというのは極めて情緒的なもので、必ずしも行政手腕が客観的に評価されているとは言えない。顔つき、話し方、肥満、足の長さから歩き方まで採点されているのだ。
側近が集まった会議で不満を漏らすと、副市長の1人が「支持率の責任は私にある」と謝罪する場面があったという。これもヘンな話。副市長始め市役所幹部の仕事は決して市長の支持率アップではないはず。上田市長が「おれの評判が上がらないのはお前らのせいだ」と思っているとしたら筋違いだ。
面白いのは、公明党支持者層の69%が上田市長「不支持」にチェックマークをつけたことだ。上田市長は市の3副市長の一角に熱心な創価学会員として知られる中田博幸副市長を据えている。中田氏は創価学会の道内最高幹部とも昵懇の間柄と言われる。それでも市長が創価学会、公明党に受けが良くないのは不思議だ。ただし、「支持率を上げたかったら中田副市長を大事にしなさい」と言っているわけでは決してないからね。
■「市役所の当たり前」を見直して猛省を! (10.02)
札幌ドームを管理する株式会社札幌ドームが利益を上げているにもかかわらず、札幌市が事業所税を負担しているのは不当だとして、厚別区の市民が住民監査請求。市監査委員は上田文雄札幌市長に対し約8000万円を同社に返還させるよう勧告した。札幌ドームは毎年1億円以上の利益を上げており、そこへ市が毎年5500万円ずつの事業所税を負担しているのは違法、という判断だ。
市は2010年度から13年度まで改めて同社を指定管理者とする契約を結んでおり、事業所税分を含み年1億3200万円を支出する管理費の取扱いについても検討が迫られる。
札幌ドームは一部札幌商工会議所の寄付を含めて札幌市が建設し、所有している施設。会社は建設費などの借入金返済や固定資産税、減価償却などの負担がない。それで黒字経営というのもいい気なもので、表現は適切ではないが「泥棒に追銭」みたいに事業所税まで市が負担している。市民感情として納得できない話。ただ、多くの市民はそんな実態を全く知らなかった。
2月2日、上田市長は自らの「元気セミナー」の中で、1期目当選の時「市民の当たり前が市役所の当たり前になるように、当たり前宣言をした」ことを語っていた。だが、ドーム問題について指定管理者制度を担当する市改革推進部は、マスコミに対して「ルールに従った支出で問題ない」とコメントしていた。そんな「市役所の当たり前」が、市民の当たり前ではなかった。それを監査委員が認めた。市長はピントはずれな開き直り発言をした担当者を厳しく処分すべきだ。
札幌市役所の「当たり前」がおかしくなっている。そのおかしくなった集団の頂点にいるのが上田市長だ。市長就任時、上田市長は札幌市役所は魑魅魍魎の巣だ、といった意味の発言をしていたはず。いまや、その魑魅魍魎の親玉が上田市長そのものだ。周囲を見回して、猛省することを促したい。
■日本ハムの縮小パレード、決定権は札幌市長に? (09.10)
プロ野球・北海道日本ハムファイターズがリーグ優勝を経て、劇的な試合展開を含めクライマックスシリーズの勝利を決めたのが10月24日。ところが日本シリーズで優勝しなければ優勝パレードをやらない、という話が出た。
上田文雄札幌市長は10月13日の定例記者会見で「市民感覚としてリーグ優勝をしたのなら(パレードの実施を)考えていたが、球団、選手たちの気分としては晴れて日本一にならないと、という希望もあるやに聞いている」と発言、記者の「日本一でないとやらない可能性も?」の質問に「そうですね,否定できないということであります」と答えた。日本ハムは今や常勝チームで、パレードは日本一だけでいい、というプライド高い考え方もあるようだ。
日本一の時だけパレードをやるのか、リーグ優勝だけでもやるのかは球団によって様々。日本ハムは06年は日本一、07年はリーグを制覇したがシリーズ優勝をのがした。それでも2年連続でパレードを実施した。ならば、今年も日本シリーズの結果に関わらずパレードをやってもいいではないか、とも言えた。リーグ優勝、CS優勝自体が偉大なもので、市民だって素直に喜んでお祭り騒ぎをしたい。それが商店街の活性化にもつながる。
結果的に,上田市長は10月26日に日本一かどうかに関わらず祝勝パレーを実施すると表明した。球団側とも協議した結果だ。これは結構な決定と歓迎したい。
ただ、パレードをやるかやらないか、札幌市長が中心的役割で決めることはどうなのか。日本ハムは球団名の頭に「北海道」と入っている道民球団だ。札幌だけのものではない。多くの地方のファンにも愛され、支えられている球団なのだ。広く道民にアンケート調査すれ、仮に日本一を逃した場合のばパレードの可否について「イエス」の結果は見えている。上田市長は小樽の潮祭りに出かけて踊りに参加するなど、近隣自治体との交流に力を入れているのではないか。ちょっと話が脱線するが、潮祭りについては、市長は公務として公用車で出かけ、終了後遅くまで運転手を待たせ飲食店で関係者と交歓したが、追従した数十人の手稲区職員は交通費など自前だったようだ。
それはともかく、札幌市長の「日本一でなければパレードをやらなくてもいい」の発言は不用意だった。こんな時は「色々な声があり、さらに検討、協議してみます」の日和見のお役人的答弁が最も無難であり、その手法も時と場合によっては非難されないのだ。
上田市長は在任2年半、民主党の政権奪取でさらに自信をつけているのかも知れない。(北海道新幹線の札幌延伸は自分の出番と言わんばかりだったが、なかなかそうは問屋が卸してくれれない。)過剰な自信は傲慢につながりかねない。自重を促したい。
■ごみとお友だちもいいが“顔売り”は自前でどうぞ (09.06)
札幌では7月からゴミ収集が有料化された。分別のやり方もこれまでと変わったため、市では周知徹底に余念がない。 テレビCMやポスターにかなりの金額をかけてPRしているのはいいとして、それに上田文雄市長が便乗、不細工な顔(筆者の偏見ではあるが)を横幅広く登場させている。新ルール用のキャラクター「さっぽろミーゴス」たちとともにである。
「ミーゴス」は「ごみ」をギョーカイ風に逆さ読みして表しているらしい。それ自体は道産子をもじった「コンサドーレ」もあることだし、まあいいのだろうが、一部には「ごみキャラクターを単なる語感でスペイン人風に仕立てたいるのは、スペインに失礼だ」という議論もあるのだそう。それも、まあ、いいでしょう。
気に食わないのは、上田市長がごみに便乗して顔を売ろうとしている根性だ。上田市長は今年(2009年)1月のセミナーで「ゴミのダイエットのために、自分が先頭に立ってダイエットする」とかのたまって「脱デブ宣言」をしたはず。しかし、テレビに出てくる姿には一向にダイエットの成果は感じられないではないか。「脱デブ宣言」の結果はどうなったのかについて、本人は「企業秘密」とかいって誤魔化しているらしい。
ちゃんと自己管理できず、そんな小さな“公約”も果たせないで、市長2期目の折り返し時点に公費をふんだんに使った露出ぶりにはウンザリする。そんな形の選挙活動はよくあることで、現職の特権かも知れない。大阪府知事、宮崎県知事などはマスコミへの登場が派手派手しい。しかし、あれは公費を使わず、ほとんどただでマスコミを利用して地域や本人をPRしている。上田市長も、顔を売るのが好きなら、自分自身のキャラクターでやりなさい。ごみと“お友だち”というやり方は、確かにゴミを“資源”として最大限に活用しているとは言えるが…。
■市議会議員の「日当2重取り」問題 (09.02)
主婦の大坪富美子さんが上田文雄札幌市長に対し「本会議などに出席した市議会議員に日額1万円の費用弁償(日当)を支払っているは議員報酬との2重払いで、返還させよ」と訴えた訴訟で、札幌高裁が費用弁償は違法と判断、市議67人に3600万円を返還請求するよう求める判決。
上田市長は最高裁が1990年12月に千葉県市川市議会の費用弁償を合法と認めた判決があり、札幌市はそれにのっとって支出してきた」と言い、最高裁判例と異なる判断にたいし「札幌高裁判決は上告しなさいという考えだ」として、結局上告した。上田市長としては最高裁判断を仰ぐというのだ。
受け取った日当を返すかどうかの立場にある市議会議員の反応は、自民党は「上告すべき」、共産党は「廃止か実費分の支払いにすべきで、判決は市民感情に添っている」、民主党・市民連合、公明党、市民ネットワーク北海道は「市長の判断すること」というもの。
ところで、上告するかしないかで次の3つの結果になるはずだった。
@上告しない=市議会議員に3600万円を返還させる。
A上告した結果、返還請求せよとの判決=市議会議員に3600万円を返還させる。しかし上告の訴訟費用がかかる。
B上告した結果、判例どおり費用弁償は合法と認められる=市議会議員に返還を請求できない。訴訟費用がかかる。
市民の立場で上記@ABのどれが一番得か、実に単純明白だ。@を選択するためには何をする必要もなかった。
本職が弁護士である上田市長としては、最高裁判断を仰ぎたい気持ちを持つのは理解できる。Aの結論になれば、最高裁判例を塗り替えられ今後全国の地方議会に影響を及ぼす。その意味でも上告が無意味とは言えない。しかし、何が一番得なのかは上記の通りである。上田市長は「高裁判決は上告をしなさいという考え」と言っている。しかし、いやしくも裁判所が「今回は取りあえずこの判決をしておくので、詳しくは上訴して決着しなさい」などということがあり得るのか。上田市長の解釈は恣意的で、上告したのは個人的趣味によるものだ。
いずれにしても、@のケースよりもマイナスになることは間違いない。個人的趣味でそれをやったからには、マイナス分は個人としての上田文雄氏が負うべきである。
■「脱デブ宣言」勝手に1人でやりなさい (09.01)
1月30日、札幌プリンスホテルで開かれた「第5回上田文雄の元気セミナー」で上田市長が「脱デブ宣言」なるものを行った。 札幌市は09年7月からゴミ収集を有料化する。上田市長は「日常的なゴミを出して、目の前から消えれば、あとは気にしないで済むような都市生活をやめよう。ゴミ処理にはコストと環境への負荷がかかる、有料化は大きな動機になり、ゴミが減ることが最大の目的で、ごみダイエットのためには、私が先頭に立ってダイエットしなければならない」と説明。フムフム。
札幌市環境局ではごみダイエットを訴えるTVコマーシャル放映とポスター制作を計画。ごますり職員が「そのポスターに市長が出たらいいのではないか」ということになったのだそう。そこで現在の姿と、3カ月ダイエットしてスリムになった姿の「使用前・使用後」を示して、みんなもやればできるぞと示す、というのだ。
セミナーでメーンゲストの浅野史郎慶應義塾大学教授(元宮城県知事)が上田市長の太りすぎを指摘していたのに対し、「今デブっているのは、職業上の理由」と弁解して笑いを取っていた。
ゴミの減量には異論がない、有料化には「ただの方がいい」という意見もあろう。上田市長がデブっていてダイエットするのは本人の勝手だ。ただ、札幌はファッションの街でもあり、市民を代表する市長には洗練された容姿を期待したい。しかし、ただ体型が細くなればいいのではない。洋服の着こなし、身のこなし、なども磨いて欲しいもの。(それでも面相、足の長さはどうしようもない?)
だが、ゴミに乗じて札幌市の予算で自分の姿が写ったポスターをばらまくのはやめて欲しい。上田市政2期目も折り返しを迎える。そこでポスターを街にばらまくことには選挙活動を意識したえげつなさが丸見えなのだ。環境云々と言うなら、それに逆行した街の美観を損ねる行為だ、と指摘しておく。デブからスリムになったら、鏡の前で1人悦に入っていればいいのでは…。 ♯♯
■バス問題で市民を愚弄する減給10%1カ月 (08.11)
バス路線問題が混乱したことに対し、上田文雄札幌市長は自分と、加藤啓世副市長を減給10%1カ月の処分と決めた。 処分の理由は「バス事業者の参入撤退の自由化が北海道中央バスの撤退表明につながった」とか「事前の説明不足から混乱を招いた」などと理屈をつけている。
市民が怒っているのは、市長の不手際から、中央バスに代わって運行することにして結局撤退したJR北海道バスへの損害賠償4900万円もの無駄金をドブに捨てたことに対してだ。そこを「JRバス側の好意によって安く上がった」と強調しても、本来払う必要のない金が無駄になったことには変わりない。市民はそんなことにに誤魔化されていない。単純な騙し方で市民を愚弄していることが怪しからんと怒っているのである。
しかし、上田市長はJRバスへの損失補償と減給処分との関連を否定している。「判断ミスがあったかどうかは市民に判断していただく」と開き直る。
4900万円損をしたことに対する処分なら、減給10%1カ月はあまりにも少なすぎる。市民や野党市議会議員からは「市長が穴埋めしろ」との声が強い。だが損害額が明確なことへの責任ではなく、「混乱した」「迷惑をかけた」と具体的金額を打ち出せないことだけに責任を取る、という逃げ方が上田流なのだ。バカバカしくて市長と副市長の1カ月分の給料の1割がいくらかなのか、計算する気にもならない。
滝川市は生活保護費詐欺の被害額2億4000万円を、市長、副市長、関係職員の減給分と、市職員の拠出で穴埋めする方向で、職員らの反発を買いそうな雲行きだが、札幌市もバス問題の損失を同じ方式で補てんしてはどうか。「市民の判断」と偉そうなことを言う前に足下の「市職員のフォロー」があるかどうかを問うてみてはどうか。悲惨な結果を期待したいものである。 ♯♯
■子どもをダシに大人の思惑で無駄な条例制定 (08.10)
「札幌市子どもの権利条例」案が10月7日の市議会文教委員会で可決された。民主、公明、共産、市民ネットなどが賛成、反対は自民の3人。
子どもの権利として次のようなことが認められるというのが骨子。
▽安心して生きる権利(いじめなどから命が守られ、必要な支援を受ける)
▽自分らしく生きる権利(個性を認め、人間として尊重される)
▽豊に育つ権利(夢に向かってチャレンジし、さまざまな芸術、文化に触れる)
▽参加する権利(自分の思いや考えが尊重され、適切な情報提供や支援を受けられる)
とは言っても、それらはごく当たり前のことで、特段札幌市だけが独自に条例を制定するほどのことなのか、条例を制定しない自治体では、そんなに子どもの権利が踏みにじられるまま放置されると言うのか、多いに疑問。
15歳以上の子どもを含む委員で構成する権利委員会を設置、こどもの権利救済委員を2人置き、権利の擁護者として公正に必要な支援を行う、救済の申し立てについて調査を行う、としており、なんとなく市民受けしそうな委員会を設置、委員を委嘱することがミソ。 これが上田文雄市長の公約の重要項目だという。
何のことはない、また市民が費用や人件費を負担する機関をつくるということだ。委員には上田市長の「お友達」が委嘱されるのだろう。たった2人の委員を置くより、市役所職員を総動員して普通の福祉行政を行ってはいかがか。
弁護士の上田市長は条例制定という「立法」をやってみたいのかもしれないが、その前に「行政」をしっかりやってもらいたいものだ。 ♯♯
■中央バス路線問題、「謝る気なんかあるものか」 (08.10)
北海道中央バスが札幌・白石営業所の9路線の廃止を札幌市に表明、その後一転して継続を打ち出した件で、市民の間に上田市政批判が渦巻いた。中央バスと札幌市は10月4,5日に3カ所の会場で住民への説明会を開いた。その中で上田文雄札幌市長は「混乱を起こしたことについて札幌市からもお詫びを申し上げたい」と発言したが、市民はこの言い回しに誤魔化されてはいけない。この言葉、決して謝っていないし、反省を意を表してはいないのだ。以下、検証。
1 「札幌市からも」の表現について。謝罪すべきは「札幌市」ではなくて上田市長本人だ。ここで当人が誤るつもりがないことを表している。
2 「札幌市からも」の「も」とは国語辞典を引けば「<…もまた> too; also」などと出ているはず。つまり「AもBも」を意味しており、この場合のBは「札幌市」だとして、Aは何だと上田市長は言うのか。文脈からすれば「中央バス」だろう。つまり、言っている言葉は「まずは中央バスが誤るべきだが、札幌市も…」と言う意味を表している。
3 「お詫びを申し上げたい」の「たい」とはなにか。単に願望を表しているに過ぎない。もしも男が女性に「あの星を取ってきて君に捧げたい」などと言ったとすると、この男には「星を取ってくる」を実行する気持ちなどさらさらないことはお分かりだろう。同じように上田市長は「たい」と願望を表現しているだけで、「お詫び」を実行するとは決して言っていないのだ。真心があれば「心からお詫びします」と言うべきなのだ。
そこで「札幌市からもお詫びを申し上げたい」を平易な市民言葉に意訳すれば、以下のようになる。
「私本人は誤るつもりはない。かわりに札幌市が誤ることにしておく。まず悪いのは中央バスであって、札幌市は2の次である。一応お『詫び申し上げたい』と言葉上では願望表現しておくが、お詫びを実行することなどするものか。(まあ、この程度のご託を並べておけば、愚昧な市民を誤魔化せるだろう)」
上田市長の本職は弁護士である。弁護士は精緻な言葉遣いを駆使して論証することが職業であり、言葉遣いに長けた特性を持っている。そういう人物の発する言葉は、聞く側も正確に受け取るよう心がけなければなりませんね。 ♯♯
■弱者市民の灯油代「貸してやるけど必ず返せよ!」 (08.09)
灯油の値上がりが家計に暗い影を落としている。札幌市は昨冬から「あったか応援資金」の緊急対策を実施、低所得家庭に灯油購入資金を貸し付ける施策を開始、今シーズンもこれを継続する。高齢者、母子家庭、障害者の低所得世帯、生活保護世帯を対象に、5万円限度で昨冬は5170件、約2億4000万円の実績。
これは一見「あったかい」施策のように見えるが、どこかおかしい。多くの市町村が「福祉灯油」として、灯油購入を補助しているが、札幌市はあくまでも「貸し付け」であって、当然ながら利用者には返済(最長20カ月)の義務がある。7月末までの返済率は75%にとどまり、返したくても返せない実態があると思われる。返済しなければ、次のシーズンの融資は無理。市民団体「生活と健康を守る会札幌協議会」は「返済の減額、免除や福祉灯油の実施を考えて欲しい」と要望している。しかし、札幌市は一貫して「福祉灯油」には否定的な姿勢を崩していない。
分かりやすく言えば「貸してやるけど必ず返せよ!」という施策である。
07年12月12日札幌市内で「灯油等石油製品引き下げと道民生活の安定を求める緊急全道集会」が開かれ、連合北海道を主体とする主催者発表では「オール北海道で実効性のある灯油価格引き下げ対策や福祉灯油制度の拡充を国などに求める決議案を採択した」とされる。
この集会には上田札幌市長も出席、当初課長クラスが出席する予定だった道に対して、連合北海道は「札幌市長が出席するのだから、道からもっと偉い人が出るべき」と申し入れ、結局経済部長が出席した裏話がある。
福祉灯油をアピールする全道集会に出席したはずの上田市長が、お膝元では「返済」を前提とした「あったか応援資金」でお茶を濁している。これが市民福祉をうたう民主党市長の実態である。 ♯♯
■バス路線で中央バスと対立、ケンカ別れ (08.07)
JRを後継に決めたが…ツケは市民に
北海道中央バスが白石営業所の9路線の廃止を決定、札幌市が後継事業者を模索した結果、JR北海道バスが全路線を引き継ぐことになった。 札幌市は2001年に市営バスの営業を民間に移管した。問題の白石営業所路線は中央バスが市から7路線を引き受け、その後2路線を増加したもの。01年度360万人だった利用者が07年度には339万人に減少、9路線で年間赤字が1億5000万円に上る。
白石営業所は中央バスが市から6億円で購入。一方04年に市は中央バスに東営業所、新川営業所の路線も移管したが、両営業所は当初2年間無償で貸し付けることにしていた。市は3年目から両営業所の年間賃貸料7000万円を徴収することにした。
路線移管に際しては「当分の間現行路線を維持する」とされ、中央バスにしてみれば営業所が有料になったことで、「当分の間現行路線を維持」の足かせは解かれた、との理解。そこで、市が赤字に対する補助を行わないのなら、02年規制緩和の枠組みに従い、北海道運輸局に届け出て路線を廃止する、との姿勢を示した。
市が補助制度を適用する場合は、補助金なしでも運行する他の事業者がないことが条件。結局中央バスが満足する補助は発動されず、協議は決裂、中央バスが路線廃止を正式に決定、運輸局にこの6月中旬、廃止届けを出すに至った。
そこで市は他の事業者を捜し、結論としてJR北海道バスが9路線を継承することになった。ただし、JRバスに対しては約50台の車両購入費、営業所整備費、赤字補てんなど、3年間の初期費用として10億円以上を札幌市が負担することになる。しかも、営業所確保の経費、今後の赤字補てんなど、市側の負担はいくらになるかはっきりせず、泥沼にのめり込む危険性が目に見えている。
そんなことなら、中央バスに補助金を出して運行を継続させた方が安上がりだった。中央バス側は「10億円強という金額は10年間安定運行出来るものだ」としている。
上田文雄札幌市長は「市民の足を守るための緊急避難的措置」と釈明している。
しかし、民間企業の判断なら、現在の取引先を切るとしても、もっといい条件の相手はあるのか、を最優先して判断するはず。決裂ありきで、次なる弥縫策を探れば、新たな取引先には足下を見られる。そんな当たり前の判断も手抜きして、一部路線利用者のために多額の市民の税金を投入するのが上田市政だ。
札幌市と中央バスは「ケンカ別れ」とマスコミに表現される。しかし、ケンカ両成敗どころか、赤字から解放される中央バス、多額の出費を余儀なくされる札幌市、という図式。しかも市民の評価は「中央バスの懸命の努力に市が応じなかった」という「判官びいきに」傾いている。
バカな上田市政である。 ♯♯
■マイレージで見せる「ずるい顔」 (08.07)
中央省庁の役人が深夜帰宅で利用するタクシーから金品をもらっていた「居酒屋タクシー」問題から、では公務出張のさいの航空会社のマイレージはどうなのか、が問題視されだした。
機内で提供される飲み物程度なら個人の胃袋に納めても問題ないが、換金性もあるマイレージとなると「役得」ですまされる問題なのかどうか、という次第。政府は6月中に公費出張に伴うマイレージの取得の自粛を指示している。
では出張が多い高橋はるみ知事、上田文雄札幌市長らはマイレージをどうしているのか、北海道新聞がいいところに目をつけて報じた。
それによると、高橋知事は「マイレージを取得。一部は私的に利用」と回答。これに対し上田市長は「市に規定がないので管理していない。情報公開の対象でもない」と取得したかどうかも回答拒否。「市役所全体の同行を見て検討する」としている。
上田市長が「回答拒否」といういことは引け目があると解釈したい。取得したマイレージを公務出張に利用すれば税金を財源とする経費が節減できる。私的に使うことは横領に当たるという説もある。一方、個人に付与されるので、横領ではない、との解釈もあり、グレーではある。そこを真っ白にするには、マイレージを取得しないか、公的利用を明確にすることしかないはずだ。
「市役所全体の動向をみて検討」とは何か。誰が市役所のトップなのか。模様眺めでなく、自分が率先して決定しなさい。
「公開対象ではない」として隠しておくのは、アンチ上田派にとってもつつく傷口が残り、結構なことだ。 かつて弁護士でありながら、長年国民年金を払っていなかった、手前勝手な非国民的ずるさを思いださせてくれます。
♯♯
■仰々しい市長室入り口のガード (08.06)
札幌市OBのSさんが「市長室入り口にものものしくガードマンを置いているのは、あれは何だい」と言っている。
札幌市役所10階南側に市長室、副市長室があるが、その入り口にガラス戸を設置、前を受付の女性職員とガードマンが固めている。受付に用件を伝え、女性職員が市長や副市長の秘書と電話で確認した上で、デスク脇のボタンを押すとガラス戸が開く仕組み。
「長崎の市長が暴力団に拳銃で射殺されて以来、警備を固めたものだ。とは言っても、拳銃で襲撃を企てるような相手に対して、こんな仕掛けは何の防御にもならない。全く無駄で、だた格好をつけただけだ」とSさん。筆者は「中にいる人にとっては、ガードを固められて、気分がいいんじゃないの」と答えておいた。
庁舎内ではそこまでやっても、上田市長は市長公邸に住まず西区内の自宅で暮らしている。公邸にいると「除雪が悪い」「道路が汚い」などの苦情電話がは入り、煩わしいと夫人がイヤがったのが真相とも伝えられる。移動にはリュックを背負ってバスや地下鉄を利用する“庶民派”市長だから、悪意を持つものが狙うのは簡単だ。
やはり、市長室入り口だけの形式的な警護に「あれは何だい」というのは正しい。そんなことに余計な公費を使って、本当に“庶民派”といえるのかな? ♯♯
■四川大地震利用して目立ちたがるな
(08.05)
札幌市は5月16日、中国の四川大地震への災害見舞金を中国に贈った。上田文雄市長が中央区の在札幌中国総領事館を訪ね、胡勝才総領事に目録を手渡した。
胡総領事は「被害が日々拡大している中、今回の札幌市の支援に大変感謝申し上げます」と述べた。 上田市長は「多くの犠牲者の皆さまに心からお悔やみ申し上げるとともに、被災者の皆さまにお見舞い申し上げます」と話した。
新聞には胡総領事と上田市長の写真が掲載された。
当然札幌市がマスコミに取材を要請したから、この記事が掲載されたのだろうが、上田市長は市民の金を持っていっただけ。市長が選挙区外である海外へ寄付することは公職選挙法上全く問題にならない。目立ちたかったら自分のお金を持って行きなさい。自分のふところを痛めずに顔を売るパフォーマンスがいやらしい。そんなものをいちいち取り上げるマスコミもお粗末。
♯♯
■人寄せパンダがいなかった
(08.02)
「みんなでつくる札幌・市民の会」が08年2月7日付で「上田文雄の元気セミナー」講演録を発行している。セミナーは07年11月28日札幌パークホテルで開催。その時の上田市長の講演録をまとめたものだ。これを読み返すと再び腹が立つ。
当日は寺島実郎氏(財団法人日本総合研究所会長)が講演するという前触れで、もちろんその旨チケットやチラシに記載されていた。筆者も寺島氏の話を期待してセミナーに参加した1人だ。
ところが、前日から札幌入りしていたはずの寺島氏は“ドタキャン”して姿を見せず「市民の会」事務総長の説明では「洞爺湖サミット関連の急な要件のため出席できなくなった」とされた。
上田市長も講演の冒頭「寺島実郎先生のご参加をいただけるということで、ご案内させて頂きました。寺島先生のお話だから聞きたいということで、大枚、参加費用をご負担いただきましてお出で頂いたという方が大勢おられると思いますけれども、それが実現できなかったことについて、私からもお詫びを申し上げたいと思います」「JAS法というのがございまして、最近、表示と中身が違うということで、いろいろな形で非難をされておりますが、お誘いしておきながらお出になれなかったという結果でございますが、大変申し訳なく思っております」と言い訳していたことが、講演録でも再確認できる。
ところが、寺島氏は最初からこの会に出席する予定はなかったのが真相だ。それを直前になってあたかも寺島氏本人の都合で出席できなくなったかのように責任転嫁して説明したのだ。
つまりパンダははじめから来る予定はなかった。それを人寄せパンダが来ると欺いて、有料で人を呼んでおきながら、いたのはブタだけだった、ということになる。「ブタ」はちょっと例えが悪いが、こっちは怒っているのだ。上田市長だって、寺島氏をJAS法に例えて、食い物扱いしていた。
♯♯
■石油高騰でちぐはぐな対応 (07.12)
連合北海道が呼びかけて、12月12日「灯油等石油製品価格引き下げと道民の安定を求める緊急全道集会」が開かれた。消費者団体や労働団体から600人が集まり、実効性のある価格引き下げや福祉灯油制度の拡充などを国に求める決議を行った。
実は、この集会には北海道商工会議所連合会、北海道経済連合会などの経済団体にも案内があったが、経済団体側は「ガソリン税問題も含みにしている」と嗅ぎ取って、道路財源問題にからむのなら、連合や民主党のサイドの暫定税率撤廃とか一般財源化の話には乗れない、という判断から参加を拒絶した。
そこへの来賓としてこのこと出かけたのが丸岩公充自民党道連幹事長。易々と「消費税及び石油諸税の一時凍結を含む緊急立法措置をはかること」という項目を含むアピールに与してしまった。あげくマスコミには「来賓席には自民、公明、民主、社民、新党大地の各政党や議会会派の代表が並び…」と石油諸税問題で政党がこぞって足並みを揃えたかのように書かれた。ガソリン税の暫定税率廃止には賛否があろうが、自民党の立場ではこの集会は趣旨が噛み合わないはずだ。
一方、民主党市長ながら、福祉灯油には全くやる気がない上田文雄札幌市長も「福祉灯油制度拡充」という集会決議に参加したことになる。札幌市民の中にも弱者は少なくない。市民に優しい行政をやったらいかがか。
♯♯
■何とも気持ち悪い上田市長のサンタ姿 (07.11)
優れたデザインと機能性を併せ持つ商品を札幌市が「札幌スタイル」として認証している。04年に制度化した。良い商品を行政がバックアップするのは結構なことだ。
ところで、その「札幌スタイル」をクリスマス商戦用にをPRするために上田文雄市長がサンタクロースに扮して写真撮影し、12月に地下鉄大通駅コンコースにある札幌スタイルのショーケース内に飾るのだそうである。
新聞に何とも珍妙かつ不細工で気持ち悪いサンタ姿の写真が披露された。これを公衆の面前に「飾る」といっても、そんなもの飾りになどなるわけがない。見て不快感を持つ市民も少なくないはずだ。このダサさには「何が札幌スタイルだ」と冷笑を禁じ得ない。要するにこれは、上田流のパフォーマンスに過ぎない。公費で次の選挙運動をしていることが見え見えで不愉快この上ない。
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